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【満田研究室ブログ】

佛教大学社会学部満田久義研究室通信

パンデミックとGSR・地球益の旅(2)

TOKYO シャットダウンの日まで(1): パンデミックとGSR・地球益の旅を始めるにあたり
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【1】
人類が初めて経験するGlobal Epidemic Crisis (GEC) によるグローバル災害が、どのような経済破綻や社会混乱をもたらすのか、われわれはこのグローバル危機にどのように対峙するのだろうかを予見してみよう。とくに萌芽する地球市民が、このグローバル危機(GEC)をどのように認識し、いかなる新たな社会価値を創造するかを、予見するために知ろう。

新たな社会価値である地球益やGlobal Social Responsibility(GSR)とは何か、その社会価値はどのような意味内容を含意するか、欧州で台頭する新たな知見を渉猟し、「TOKYOシャットダウン」の日まで、パンデミックとGSR/地球益に関する思索の旅を、ゆっくりと決意をもってスタートしよう。なぜならば、この際限のない旅は、艱難辛苦に満ちた暗黒の結末を予感させるからだ。

私は、2005年ごろから「地球環境変動による感染症パンデミックとGlobal Social Responsibility (GSR)に関する研究」を構想し、2006年から幾つかの研究資金をえて、萌芽的研究を始めていた。08年には本格的な研究に着手すべく、1年間のサバティカル研究生活を送るために私学振興財団に研究申請をし、以下のような研究目的を書きとどめている。

「地球環境変動による感染症パンデミックはグローバルな課題である。その解決には一国では到底対処できない。ドイツを中心に欧州で、温暖化や貧困、食料・エネルギー問題といった地球規模での課題に対して、政府・企業・市民社会の各セクターが国境を越え、GSRや地球益という新たな価値意識に基づき、その社会的責任を果たす最適な社会設計を目指す研究が台頭している。本研究ではまず、WHO・ユニセフ・EU本部などの関係機関でのインタビューと大学相互での研究交流を通して、GSRや地球益に関する理論研究を行う。次にグローバルな喫緊課題である地球温暖化による感染症パンデミックを取り上げ、国際医療支援活動の実践と関連する事例研究を行う。満田は2005年からインドネシア国立マタラム大学医学部の「マラリア・コントロール・プログラム」に参画し予備研究を継続してきた。2009年度にはマラリア感染地域での本格的なフィールド調査に参画し、GSRや地球益の観点から国際共同研究を推進する」と。

だが残念ながら、2006年ごろに構想していた萌芽的研究では、Global Epidemic Crisis (GEC)とは、マラリアや西ナイル熱病のような熱帯感染症か、あるいは鳥インフルエンザを、発生地域は地球社会の最も脆弱な途上国だと想定していた。まさか、先進国のアメリカが発生源で、しかもブタを感染源とするインフルエンザとは。想定外であった。

2ICE地球益の旅に出発進行
地球益の旅に出発進行(ハノーバー中央駅)


◆◆◆◆◆◆◆TOKYO シャットダウンとは ◆◆◆◆◆◆◆
TOKYOシャットダウンとは、新型インフルエンザ (豚インフル)によって、東京山手線内の社会経済活動がストップし、ヒトとモノの移動が禁止される「戒厳令的状況」を指す。

  1. 2009/10/31(土) 22:54:57|
  2. 新型インフルエンザとパンデミックの旅

ちょっとブレイク(5)

帰国して1ヶ月が過ぎ・・・・・

****************

親愛なるゼミ生・卒業生諸君へ

皆、元気で活躍していることと思います。

帰国してもうすぐ1ヶ月が過ぎます。遅れていた「マラリアの社会学:入門編」は、あと、【1】マラリア感染の現状とリスク、【2】マラリアとの闘いの歴史、【3】日々の暮らしとマラリア、などを残すだけとなりました。

これから「実証編」として、05年にマラリア・アウトブレイクが発生した東ロンボク島とブンギン島(スンバワ島)の8つの村々で1家1家を訪ね歩いて集めたマラリアの血液検査と意識調査[CBDESS I(992戸、06年)とCBDESS II(1012戸、07年]のデータで描く「マラリア・アウトブレイクの実態」を執筆すべく、最終的な統計分析を行っています。驚愕の真実を描写できるかどうかは現段階では明言できませんが、血液検査によるマラリア感染率という医学データと、マラリアに関する住民意識と行動という社会学データの結合という、これまでだれも試みたことのない学問の枠を超えた研究は、研究者の学問的昂揚をもたらします。マラリア対策に新しい地平を開く研究報告を期待してください。

もう一つのシリーズ『TOKYOシャットダウンの日まで』は、欧州で収集した資料の整理が終わりました。此方のほうも、いよいよ執筆開始です。今後は、週2回程度のブログ更新を予定しています。

満田久義
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無垢の笑顔のこの子らのために(北ロンボク島ベリク村)
  1. 2009/10/26(月) 17:03:47|
  2. ちょっとブレイク
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プロフィール

佛教大学社会学部満田研究室

Author:佛教大学社会学部満田研究室
【本ブログの休止と新ブログ『マラリア通信(仮称)』のお知らせ】
満田研究室ブログは、2009年満田教授の海外研修の時、満田ゼミ生との情報交流のために開設された海外通信ブログ。インドネシアのマラリア制圧に関する情報からエコツアー、原発、感染症パンデミックなどのホットな話題をブログ形式でお送りしてきました。
満田教授は、2009年4月から半年間のドイツ・オスナブリュック大学日本研究所とイ ンドネシア国立マタラム大学医学部での海外研修から帰国。さらに10月から3月までの京都大学大学院経済学研究科での研究員生活を終え、2010年4月からは佛教大学社会学部公共政策学科教授に復職しました。
2011年からはマラリア制圧のために、セレベス、パプア、アロール島などでマラリア医療支援活動を継続。また、エクアドルのアマゾンジャングルにある世界で最も生物多様性が高いヤスニ国立公園の自然保護活動や、ベトナム政府および国連機関とのベトナム農村での持続可能な観光に関する共同研究も実施しました。
2013年12月からセレベス島北端のバンカ島で中国企業による鉄鉱石開発からジュゴンを守る国際NPO[ジュゴン環太平洋ネットワーク]の創設準備。沖縄辺野古沖のジュゴンに関する基本情報を収集し、ジュゴン保護に関する研究を実施しました。
2019年3月、佛教大学社会学部を定年退職(同大学名誉教授)。 9月からインドネシア国立マタラム大学医学部客員教授として、ロンボク島でのマラリア撲滅のための社会貢献活動に尽力する予定です。

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