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【満田研究室ブログ】

佛教大学社会学部満田久義研究室通信

巨万の富を得る製薬会社VS貧しい国際支援活動

【アチェの追憶と哀悼ーマラリア診断キットを送る国際支援活動ー】の実話と教訓



富を得る製薬会社がある一方、貧しい国際医療支援活動は苦悩する実話と教訓をお話しよう。アチェ支援活動全国に産経新聞記事
アチェ支援活動に関する産経新聞記事(050427)
アチェ支援活動全国に読売新聞
アチェ支援活動の読売新聞記事(050518)


スマトラ沖大地震と巨大津波(2004年12月26日)直後の2005年1月に、われわれは「アチェの子供たちを救おう」と呼びかけ、「マラリア診断キットを送る会」(京都市)を創設した。インドネシア・ロンボク島にあるヘパティカ研究所とコラボして、津波被災地アチェでマラリア感染を阻止するために、10万セットのマラリア診断キットの現地生産と被災者への直接的な寄贈を決定した。

だが、われわれの善意に満ちたはずのマラリア制圧国際支援活動も、必ずしも納得いかない「国際マーケットのルール」と対立した。医薬品開発の莫大な費用はだれが負担するのか、あるいは「知的所有権」保護問題という厚い壁にぶつかった。

マラリアは「貧困の病」であり、途上国に固有の病気といってよい。犠牲者のほとんどは途上国に住む。一方、マラリアに関する医薬品開発は、現地先住民から収得した病原菌をもとに、先進国の巨大製薬会社が担う。そして商品販売を通じて、再び途上国の貧困層、多数の貧しい患者から収益を上げる。

この事実は、グローバル経済の観点からすれば、まったく正当な企業活動であり、違法性はない。だがしかし、支援を必要とする病に苦しむ人々に、できるだけ有効に手を差し伸べたい社会活動家にとっては、納得できない面もある。

例えば、われわれが途上国の貧しい子供たちのために集めた浄財の25%が、アメリカの製薬会社の利益となり、さらにインドネシア政府の税金やマラリア診断キットを製造する現地研究所の経営費用として、さらに25%費やされる現実は、いかがなものかと思う。われわれの善意の募金の半分が、その意図とは異なる運用がなされる現実をどのように理解すればよいか諸君も考えてみてほしい。

「市場と倫理」「社会正義なき市場原理とは」CSRの観点からもグローバルな議論を喚起すべきテーマではないかと思う。

以下に、『アチェの追憶と哀悼ーマラリア診断キットを送る国際支援活動ー』を掲載するので一読してほしい。



アチェの追憶と哀悼ーマラリア診断キットを送る国際支援活動ー
マラリア診断キットを送る会の経緯
マラリア診断キットを送る国際支援活動の問題点
マラリア診断キットを送る国際支援活動問題点2
マラリア診断キットを送る国際支援活動問題点3ピンポイント支援
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  1. 2011/05/30(月) 00:31:55|
  2. 環境と地域

【「ナイロビの蜂」を読んで、鑑賞し思索する】

【「ナイロビの蜂」(原題:The Constant Gardener)を読んで、DVD鑑賞し、思索する】

蜂の一刺しは、相手に致命的な打撃を与える。しかし、刺した蜂も自らの命を落とす。

人は正義のために自らの命を賭して、社会の巨悪に立ち向かえるだろうか。
「ナイロビの蜂」を読んで、鑑賞し、思索してみよう。

諸君は、

「平平凡凡とそつなく保身するタイプの、職務に忠実な(趣味の庭いじりにご忠心のThe Constant Gardener)外務書記官」【レイフ・ファインズ演じるイギリス外交官ジャスティン】を目指しますか

それとも

「アフリカの大地と人民に心底から愛慕心酔し、その彼らから莫大な蜜を貪り食う巨大製薬会社の陰謀と
それに群がる国家エリートの癒着を告発することで、社会正義に立ち向かう社会活動家」【レイチェル・ワイズの妻テッサ】ですか。

ラストシーン: 撲殺された愛妻テッサの最後の地、赤茶けた大地と夕日を背に飛び立つフラミンゴのトゥルカナ湖。最後に、"YOU WANT ME COME HOME"と言って、ジャスティンはテッサのもとに、自ら進んで彼らに撲殺される。その美しさは、バックに流れる旋律ともに心に焼きつきます。

主人公ジャスティンがそこに辿り着く心の旅路を詳細に語ることは、ルール違反でしょうから差し控えます。

「巨万の富と陰謀、そして社会正義」について、【総合討論】を試みますか。
今、巷を騒がす「東電原発事故とアトム村との密接な関係」や
中央の「政・財・官・学」そして当該地域の「権力者」との由々しき「甘い蜜の腐敗構造」も視野に入れて議論しましょう?


DVD「ナイロビの蜂」はレンタルできます。新書価格は上下巻ともモーニングコヒー代程度。

1時間余りの至福の時が過ごせます。お楽しみに!


ナイロビの蜂  集英社文庫

ナイロビの蜂  DVD
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  1. 2011/05/27(金) 18:01:59|
  2. 環境社会学への誘い
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プロフィール

佛教大学社会学部満田研究室

Author:佛教大学社会学部満田研究室
【本ブログの休止と新ブログ『マラリア通信(仮称)』のお知らせ】
満田研究室ブログは、2009年満田教授の海外研修の時、満田ゼミ生との情報交流のために開設された海外通信ブログ。インドネシアのマラリア制圧に関する情報からエコツアー、原発、感染症パンデミックなどのホットな話題をブログ形式でお送りしてきました。
満田教授は、2009年4月から半年間のドイツ・オスナブリュック大学日本研究所とイ ンドネシア国立マタラム大学医学部での海外研修から帰国。さらに10月から3月までの京都大学大学院経済学研究科での研究員生活を終え、2010年4月からは佛教大学社会学部公共政策学科教授に復職しました。
2011年からはマラリア制圧のために、セレベス、パプア、アロール島などでマラリア医療支援活動を継続。また、エクアドルのアマゾンジャングルにある世界で最も生物多様性が高いヤスニ国立公園の自然保護活動や、ベトナム政府および国連機関とのベトナム農村での持続可能な観光に関する共同研究も実施しました。
2013年12月からセレベス島北端のバンカ島で中国企業による鉄鉱石開発からジュゴンを守る国際NPO[ジュゴン環太平洋ネットワーク]の創設準備。沖縄辺野古沖のジュゴンに関する基本情報を収集し、ジュゴン保護に関する研究を実施しました。
2019年3月、佛教大学社会学部を定年退職(同大学名誉教授)。 9月からインドネシア国立マタラム大学医学部客員教授として、ロンボク島でのマラリア撲滅のための社会貢献活動に尽力する予定です。

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