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【満田研究室ブログ】

佛教大学社会学部満田久義研究室通信

【卒業生リレー通信】③

【卒業生リレー通信】③徳本英明君「出会いと忍耐と達成感」
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昨年度卒業した最も新しい卒業生、徳本君からメッセージが届きました。真面目・几帳面・他人思い・誠実などなど、彼を賞賛する言葉は多々ある。海外の大学から帰国し、他国の大学生の真摯な研究態度や社会使命感に涙が出るほど感動していた私は、日本の一部学生の危機的惨状にガッカリ。ゆとり教育の影響か、基礎学力不足だけでなく、無気力・現実逃避癖、責任転嫁の達人、どちらを向いては走っているのか全くわからない学生に遭遇。留学生から「日本の学生は稚拙で日本語を知らなさすぎる。「可愛い」の連発」と揶揄される始末。かれらと会話が通じない私を助け、南村君(女性ゼミ長)と橋本君(兵庫県立大学院進学)と共に満田ゼミをまとめてくれたのが、徳本君。相変わらず、人柄そのものの真面目な文章です。
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昨年の今頃、卒論合宿(中央がゼミ長徳本君)
昨年の今頃、卒論合宿(中央がゼミ長徳本君)
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はじめまして、平成22年度満田ゼミ卒業生の徳本英明と申します。現在、社会人1年目で緑化事業の企業に勤めています。今回は、満田先生から私の大学生活や就職活動、近況などをゼミのみなさんに伝えて欲しい(檄を飛ばしてくれ!)というお話を頂き、書くこととなりました。4年間の大学生活を過ごし私が感じたこと、みなさんに伝えたいこと。4回生の10月まで続いた就職活動で学んだこと。現在、入社半年で思い知ったこと。世代的にも近いので、みなさんの今後の大学生活の参考になってもらえればと思います。

 私の大学時代を振り返ってみると学内・学外ともに「出会い」の連続だったと感じています。大学では満田先生をはじめ、個性的な教授の方々、ゼミの仲間たち、いつもいじってくる親友たち、部活の先輩・後輩など、本当に多くの人たちに出会うことができました。特に、ゼミと部活を通しての出会いが大きかったです。ゼミでは、卒業論文で「住民と行政がマッチングした環境プロジェクトの導入」というタイトルで地元・滋賀県竜王町における環境政策導入の可能性についてまとめました。それに伴い、環境政策、環境行政について学ぶために「環境市民」という環境NPOでインターンシップすることにしました。このインターンシップに参加したことにより、島根県隠岐島でインタープリターをしている方と知り合いました。インタープリターというのは、人間と自然の「仲介者」という意味で、エコツアーのコンダクターや環境教育に従事する人などのことを指します。そのつながりで、隠岐島で開催された「ふるさと環境ミーティング」という企画に参加させてもらい、その企画で尊敬するインタープリターの方に出会うことができました。この方は、インタープリターに必要な「自然が好き」「人が好き」「センスオブワンダーを大事にする」という要素を全て持ち合わせたような人です。現在、愛媛県今治市でエコツアーを企画したり、環境教育を行ったりしていて、インタープリターの要請にも力を入れられています。インタープリターに興味を持ったのであれば「をかしや」で検索してみてください。大学生の内に本物のインタープリターに出会っておくと良い経験になるかと思います。
また、部活においても私の人生を変える出会いがありました。京都の嵐山在住で、ご自身の敷地内に畑・森林・竹林・水路・カフェを作られている森氏という方です。この方は、20代の時に当時の消費社会に疑問を感じ、大手企業に勤めながらも、嵐山のその土地で自給自足・循環型の生活を作り上げられました。こちらには月に一度程お伺いし、木の伐採や薪割り、畑の手入れなどの体験させて頂きました。また、休憩の時にはご自身の経験談や自然について講義して頂いたり、これからの生きる術を説いて頂いたりと本当に貴重な時間を過ごすことができました。まだまだ書ききれない程ですが、出会いが出会いを呼んでさらに多くの人と出会えた大学生活でした。学内でゼミや部活に没頭するのも大切ですが、学外にも気を向けてみると人生の選択肢が増えるかと思います。
 
 次に就職活動では、「忍耐」という言葉を実感しました。卒業論文でも環境プロジェクトを取り上げていたので公共政策に興味があり、公務員を考えていました。そこに嵐山の森氏から、「アミタ」という企業の取締役の方を紹介して頂き、公務員ではできないことも企業という場所でなら実践できることを知りました。それが3回生の秋のことでした。ここで私の中で仕事に対するこだわりが生まれました。それは、「自然に触れ合える仕事であること」と「多くの人と接する仕事であること」です。結果的に、最初にこのこだわりを持ってしまったことが、私の就職活動を長引かせた原因にもなりました。ですが、こだわりの条件にあった企業の説明会であれば東京でも岡山でも行きました。しかし、いくら面接で自分の想いをぶつけても良い結果は返ってきませんでした。一時期、自分の考えがおかしいのかと考えたり、人間的に認められていないのかと思ったりすることもありました。いっそのこと、こだわりを捨ててどんな企業でもいいから入ろうと考えた時もありました。ですが、今はこのこだわりを貫いて本当に良かったと思っています。現在勤めている企業を知ったのは9月くらいで、それまでに諦めていたら見つけられなかったでしょう。みなさんの時も就職活動は厳しいかと思います。周りがどんどん内定をもらっていって焦ることもあるでしょう。ですが、譲れないこだわりや想いは辛い時があっても耐えて貫くべきです。いずれは、そこに共感してくれる企業に出会えるはずです。就職活動では、そういった企業で働くことが一番の成功だと思います。

 それから、近況について書きます。冒頭でも書きましたが、現在は緑化事業関係の企業に勤めています。正確には、緑化資材メーカーの営業です。高速道路の沿線や造成された住宅地の山際、田んぼの畦に草が生えているところを一度は見られたことがあるかと思います。実は、あのような草は緑化資材によって生えている草の場合が多いです。草の種や肥料が入ったシート状のものを山の斜面に貼り付けることで緑化させています。そうすることで、景観をよくすることはもちろんのこと、風雨による浸食から山を守る役目を果たしています。営業では主に役所営業と代理店営業を行っており、他に植生調査として過去に緑化した場所で植生の程度を調べます。また、他の緑化資材メーカーと異なり、私の会社では緑化資材の施工まで一括して行っているので、現場管理をすることも多々あります。現場管理は資材の納入や施工写真の撮影などが主な仕事です。現場は市街地での施工もありますが、普段ではあまり行くことのないような山奥や森の中だったりもするので、清流を見つけたり、野生動物に遭遇したりすることもあり、割と楽しいです。
徳本君①

直近では先週、富山県で現場があり、AM3時30分に起床し、帰宅がPM11時00分という今までで一番ハードな日がありました。しかし、この現場から見えた風景はとても美しかったです。
(富山県氷見市の山中 後方には富山湾と立山が見える)

また、仕事を通して「達成感」を知ったと思います。学生の時でも、何かを成し遂げたときに達成感はありますが、仕事だとそれがより大きく感じます。例えば、大雨で土砂崩れが起きた山の現場(2000㎡くらい)で自分が管理に関わりました。施工2か月もすると施工した一面が草に覆われて、風になびいています。そして、草の中を昆虫たちが忙しく動いていました。それを見たときは今までの人生の中では経験したことがない達成感でした。いわゆる一部の壊れた生態系を自分の手で修復できたのではと感じたからです。そして、その達成感は自分のための自己満足ではなく、社会の役に立っている。それが、仕事を通しての達成感だと私は考えています。
少しは真面目に働いていることを証明したいので、当社で取り扱っている植物を2つ紹介させてもらいます。
徳本君②

上の草は、ヤマハギと言うマメ科の植物です。植物が成長するための三要素として、窒素・リン酸・カリがあるのですが、窒素の多くは空気中に含まれていて、なかなか摂取することができません。しかし、マメ科の植物には根粒菌というものが根っこについています。この根粒菌は空気中の窒素を吸収し、土壌に入れ込みます(空中窒素固定)。ホワイトクローバーもマメ科で根粒菌を持っているので、結構色んなところで生えることができます。
 下の写真は、みなさんも見たことがあるヨモギです。
徳本君③
これが、人の手が届かない山間部では、非常に大きくなります。大きいもので私の背丈ぐらいのものもあります。当社の製品には肥料と共に有機質の土壌改良材も入っているので、栄養分は十分にあります。それにより普段見かける草でも、ここまで大きく生長することができます。
仕事を通して学べること、発見できることはたくさんあります。それを楽しみに変えることができれば、充実した仕事ができるかと思います。

 最後に、みなさんに向けて伝えたい言葉があります。
「Simplicity with passion」
これは、私たちの卒業アルバムに満田先生から贈って頂いた言葉です。「一途な思い」「誠実と情熱」「実直な情熱」と訳してみました。何かを成し遂げるには、情熱は欠かすことができない重要なものです。情熱を持って目標に向かえば、困ったときでも満田先生をはじめ、ゼミの仲間たち、家族、親友、周りの人も手を差し伸べてくれるでしょう。
また、少し無茶だと思うことでも学生の内にできること、やりたことを全てやっておくべきです。私は、たまには学生の時に戻りたいと思うときもあります。ですが、学生のうちに結構好き勝手にやらせてもらいました。なので、今では充実した学生生活を送れたと心から思っています。それも周りの人たちの支えがあったからなんですが。
限られた学生生活、戻ることができない学生生活、心から楽しみ、遊び、悩み、勉強し、成長してください!

ロンタイ株式会社
徳本英明
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会社HP:http://www.rontai.co.jp/index.html
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【満田追記】地方公務員の最終発表(政令指定都市は早い)が終り、今年度は大阪・門真市に中山君が合格。地元の地域活性化に貢献してくれると期待する。神奈川の小学校教員となる黒木君もいれば、兵庫の郷里に戻りJAに就職する佐藤君もいる等々。世界で活躍する人材が輩出されることも夢見ます。

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  1. 2011/11/24(木) 17:07:56|
  2. 卒業生通信

マラリア戦争と予防

【マラリアとの戦いの変遷ー満田の予防対策】

以下の写真にある薬は何かわかりますか。これらは、わたくしをマラリア感染から予防してくれた「命のお守り」=抗マラリア剤です。5年間マラリア感染地域を訪問し、調査し、滞在してきた経験から、マラリアに感染しない方法はないと断言できます。しかし、そのリスクを減らす努力はできる。そこで私の経験からのマラリア対策の知恵を紹介しましょう。
注意)実際の使用に際しては必ず専門医の指示に従ってください。以下は、医療機関から隔絶された緊急時の場合(スタンバイ)と考えてください。

【1】マラリア予防薬として使用する場合
写真下から古い順番に私が使用した抗マラリア薬です。
①2002年ごろは、Resochin=MalarexとDumoxinの錠剤を混合して服用していました。副作用が強く、吐き気がしました。現在では、インドネシア全土で100%薬剤耐性問題があり、使っていません。ピンク色の錠剤は胃の炎症を防止する一般薬。
②黄色の錠剤は、最近まで服用していたSiclidonです。薬剤耐性問題がありますが、現在でも使っています。
③最近市販されているのが、Arterakineです(写真最上部)。中国の漢方薬から発見されたと聞きました。耐性問題が現在では聞いたことがないので、最も信頼して服用しています。この薬は予防薬としてだけでなく、感染後にも有効です。

【2】感染したらまずは専門医にかかる!
当たり前のことですが、素人判断は命とりです。2-3日発熱や嘔吐、悪寒、震えがあれば、何が何でも病院に行くべきです。

【3】危険な体験
脱水や発熱で意識障害になることがあります。考えられない行動をとることも。実際に私も経験しました。熱帯性下痢で40度の熱が続き、気が付けばトイレ用の水桶に入っていた。村人に連れられ地域診療所に。点滴を受けて、やっと意識が正常に戻った。もしあの時、言葉が通じない先住民の家に押しかけて、助けを請わなかったら・・・、判断が遅れたらと今思おうと、ぞっとします。

【4】われわれが調査で使用しているマラリア迅速診断検査キットは100%の信頼性(95%以上)はないにしても、緊急時には有効です。マラリア速断キット(商品名「マラリアカセット」は日本の税関でも使用しています。日本での購入は、http://www.tokyofuturestyle.com/products/jp/infection/importinfection.php  を参照。

【5】当たり前のことですが、健康に留意し、抵抗力をつけ、マラリア感染動物のハマダラカの習性を理解し、マラリア・リスクの高い行動を避けるようにすることが、一番有効です。

マラリア予防薬+検査キット
マラリア予防薬の処方箋

【私がマラリアに感染しなかった最大の理由は、マタラム大学の医学部スタッフが常にガードしてくれたことによります。彼らは献身的に注意を払ってくれました。そして医学的な予防だけでなく、マラリアの実践教育を現場で懇切丁寧に教授してくれました。感謝。】

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  1. 2011/11/20(日) 11:56:40|
  2. マラリア戦争の深部
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プロフィール

佛教大学社会学部満田研究室

Author:佛教大学社会学部満田研究室
【本ブログの休止と新ブログ『マラリア通信(仮称)』のお知らせ】
満田研究室ブログは、2009年満田教授の海外研修の時、満田ゼミ生との情報交流のために開設された海外通信ブログ。インドネシアのマラリア制圧に関する情報からエコツアー、原発、感染症パンデミックなどのホットな話題をブログ形式でお送りしてきました。
満田教授は、2009年4月から半年間のドイツ・オスナブリュック大学日本研究所とイ ンドネシア国立マタラム大学医学部での海外研修から帰国。さらに10月から3月までの京都大学大学院経済学研究科での研究員生活を終え、2010年4月からは佛教大学社会学部公共政策学科教授に復職しました。
2011年からはマラリア制圧のために、セレベス、パプア、アロール島などでマラリア医療支援活動を継続。また、エクアドルのアマゾンジャングルにある世界で最も生物多様性が高いヤスニ国立公園の自然保護活動や、ベトナム政府および国連機関とのベトナム農村での持続可能な観光に関する共同研究も実施しました。
2013年12月からセレベス島北端のバンカ島で中国企業による鉄鉱石開発からジュゴンを守る国際NPO[ジュゴン環太平洋ネットワーク]の創設準備。沖縄辺野古沖のジュゴンに関する基本情報を収集し、ジュゴン保護に関する研究を実施しました。
2019年3月、佛教大学社会学部を定年退職(同大学名誉教授)。 9月からインドネシア国立マタラム大学医学部客員教授として、ロンボク島でのマラリア撲滅のための社会貢献活動に尽力する予定です。

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