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【満田研究室ブログ】

佛教大学社会学部満田久義研究室通信

原発廃炉とボタ山

敦賀原発「廃炉の可能性」
―電力会社は使用済み核燃料棒を放置し、原子力のボタ山を遺棄するつもりか?―

関電大飯原発再稼働が国民的関心を呼んでいる。それに続いて24日、気になる原発関連報道があった。

『敦賀原発直下に活断層か…保安院、再調査を要請』(新聞各紙)
「保安院は原電に対し、浦底断層付近での追加の掘削調査や地層の詳しい成分分析などを求めた」とある。しかし、「浦底断層」の危険性は原発建設当初から指摘されており、今になってなぜという疑問がわく。

産経新聞は「敦賀原発と断層 大飯再稼働とは別問題だ」と主張する。経済価値がある大飯原発は再稼働、老朽化し経済価値が劣化した敦賀原発は廃炉という思惑が透けて見える。

敦賀原発や美浜原発は、大飯3+4号や高浜3+4号に比べると、経済効率が悪く老朽化が進み、廃炉の可能性が最も近い。早晩、若狭の原発銀座に廃炉プロセスのスイッチが入る。

かって、日本の近代化を支えた石炭エネルギーが終焉を迎え、筑豊や夕張のような炭鉱の町は不景気に沈んだ。そしてボタ山(捨石集積場)が、負の遺産として放置された。

原発の使用済み核燃料棒の処理方法は確立していない。放射性物質の捨て場として原発は遺棄されるのか。遠くない未来、若狭湾の原発銀座は途轍もない不安を抱えたまま終焉を迎えるとすれば、原電開発を推進した当事者は、政府であれ、電力会社であれ、大消費地住民であれ、原発銀座の地元住民の声を丹念に聞く必要がある。

以前、原発が停止したとき、ご迷惑料として「協力金」という名目で、不可解な匿名寄付が何十億円と当該町に振り込まれた。その時、地元住民は「原発再開を急ぐ関電が、町の財政危機を救うために支払った」と公言していた。「原発がストップすれば、関電は毎日1億円損失することを計算すれば安いものだ」とも。

原発は「金のなる木」「金の卵を産む鶏」と考える原発銀座の住民にとって、大飯原発再稼働問題は「かれらが一生困らない補償金を獲得できる最後のチャンスかもしれない」

30年ぶりに現地「大島地区」や「音海地区」で聞き取りしてみたく思う。


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ボタ山(ボタやま)とは、石炭採掘に際し廃棄された捨石(ボタ)が集積された山のこと。石炭産業の盛んだった筑豊や夕張地方には、この捨石集積場であるボタ山を日本の近代化を支えた石炭産業の象徴(負の世界遺産)として、「産業遺産」保存しようとしている。
  1. 2012/04/30(月) 17:55:50|
  2. 原発の話

【環境と地域の受講生諸君へ】

総合討論「エネルギーの民主化」に関する優秀成績者
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テスト用紙両面にびっしり書かれた節電対策の数々のアイデア、福島原発事故以後の新しい日本の社会経済システム、そして、清貧待望でなく日本人の前向きな心の在り様などについて、まことに真摯な意見提案に驚きました。以下の諸君の希望あるコメントを議論する機会を考えます。
【成績優秀者】
(歴史ー1)武村 (歴史-3)前田 (英米ー3)久郷 (教育ー3)中野 (社福ー1)高橋 (現社ー2)昼神 (公共ー4)竹中


+++++++【エネルギーの民主化】に関するアジェンダ+++++++
①「大飯原発再稼働がなければ、日本(関西)経済は壊滅的な打撃を被るか」

(例)電力不足を理由に、関西から途上国に生産(工場)移転する経営者は賢明といえるか。途上国の電力事情の現実を把握しているのか。
 計画停電が可能な賢明で意思統一された国民国家は限られる。途上国の停電はゲリラ的です。経営者の生産移転の眼目は、途上国の安価な労働力による収益拡大であって、電力不足による不都合は第1義的ではない。
②「大飯原発再稼働がなければ、日本(関西)は電力不足になるか」
例)関電データによると、今年の夏、電力不足が想定されるのは、8月の猛暑の日中、しかもきわめて短時間。ならば、その需要のピーク時対応を主たる課題とすればよい。年間電力供給全般を想定するよりも、ピーク時の電力需要と供給のバランスを考えるのが基本だ。すなわち、年間電力供給総時間のわずか、2.8%の課題克服すれば、原発はストップできる可能性がある。
③「原発危機を避けるために、真夏のピーク時対応について、衆智の知恵を結集しよう」
報道される関電の説明は、「大飯原発3,4号機の再稼働ができなければ、電力不足で大変なことになる」と繰り返す。その説明は正確でもなく、十分でもない。お客さんである消費者を納得するものでなければ、消費者を惑わす宣伝工作と受け取ることもできる。我々関西人が求めているのは「大飯原発の科学的安全だけではない。そこに住むすべての住民が安心して暮らせることだ」
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  1. 2012/04/27(金) 23:46:24|
  2. 環境と地域
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プロフィール

佛教大学社会学部満田研究室

Author:佛教大学社会学部満田研究室
【本ブログの休止と新ブログ『マラリア通信(仮称)』のお知らせ】
満田研究室ブログは、2009年満田教授の海外研修の時、満田ゼミ生との情報交流のために開設された海外通信ブログ。インドネシアのマラリア制圧に関する情報からエコツアー、原発、感染症パンデミックなどのホットな話題をブログ形式でお送りしてきました。
満田教授は、2009年4月から半年間のドイツ・オスナブリュック大学日本研究所とイ ンドネシア国立マタラム大学医学部での海外研修から帰国。さらに10月から3月までの京都大学大学院経済学研究科での研究員生活を終え、2010年4月からは佛教大学社会学部公共政策学科教授に復職しました。
2011年からはマラリア制圧のために、セレベス、パプア、アロール島などでマラリア医療支援活動を継続。また、エクアドルのアマゾンジャングルにある世界で最も生物多様性が高いヤスニ国立公園の自然保護活動や、ベトナム政府および国連機関とのベトナム農村での持続可能な観光に関する共同研究も実施しました。
2013年12月からセレベス島北端のバンカ島で中国企業による鉄鉱石開発からジュゴンを守る国際NPO[ジュゴン環太平洋ネットワーク]の創設準備。沖縄辺野古沖のジュゴンに関する基本情報を収集し、ジュゴン保護に関する研究を実施しました。
2019年3月、佛教大学社会学部を定年退職(同大学名誉教授)。 9月からインドネシア国立マタラム大学医学部客員教授として、ロンボク島でのマラリア撲滅のための社会貢献活動に尽力する予定です。

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