FC2ブログ

【満田研究室ブログ】

佛教大学社会学部満田久義研究室通信

【水族館、協会脱退にらむ イルカ入手困難】

【水族館、協会脱退にらむ イルカ入手、追い込み漁頼み 費用・技術…「繁殖は困難」】 
朝日新聞2015年5月28日05時00分によると、

日本動物園水族館協会(JAZA)が追い込み漁で捕獲されたイルカの入手を禁じたことを受け、JAZAからの脱退を検討する水族館が出てきた。朝日新聞の調べでは、全国で少なくとも3施設あり、ほか2施設が選択肢の一つに挙げた。JAZAは28日、兵庫県姫路市で始まる総会で方針を改めて示す。

 追い込み漁を問題視する世界動物園水族館協会(WAZA、本部スイス)から会員資格を停止されたJAZAは20日、追い込み漁によるイルカの購入禁止を決め、WAZAに通知した。

 朝日新聞の調べでは、イルカを飼育するJAZA加盟34施設の合計頭数は約450頭。うち、追い込み漁をしている和歌山県太地町(たいじちょう)から入手したイルカは少なくとも約200頭に上る。今回の決定は飼育自体は禁じておらず、直ちにイルカショーなどに支障が出るわけではない。だが、将来的な影響は避けられない。

 施設にJAZA脱退について尋ねたところ、「検討中」が太地町の「町立くじらの博物館」など3施設あった。「あわしまマリンパーク」(静岡県沼津市)の佐藤充館長は「脱退した方が自由に動ける。イルカの寿命は30年前後で今は良いが、長い目で見たら問題が出てくる」。「二見シーパラダイス」(三重県伊勢市)は「太地町以外からの入手は困難」と話す。

 「下田海中水族館」(静岡県下田市)と「うみたまご」(大分市)は「脱退も選択肢の一つ」とする。

 繁殖に取り組んでいるのは24施設。ただ、「繁殖で今の頭数を維持するには10億円以上が必要」(「うみたまご」)という。2012年と13年に繁殖に成功した「かごしま水族館」(鹿児島市)は、出産・育児にメインプールを使ったため、それぞれの年に約4カ月間ずつショーを休んだ。

 繁殖に取り組む「新江ノ島水族館」(神奈川県藤沢市)の奥山康治・海獣類チームリーダーは「生まれてからが難しい」と話す。子イルカには投薬や注射が難しく、病気になっても生命力に頼るしかないという。大人になるのは全体の半数程度しかいないという。

 一方、太地町の太地いさな組合は27日、今後も追い込み漁を続けていく方針を発表した。貝良文・町漁協組合参事は「反捕鯨団体の攻撃があるのでこれまで発信してこなかった。黙っていると誤解が広がってしまう。正しいことは正しいと伝えていきたい」と話した。

 ■残酷と批判、ショーは減少 豪州/厳しい基準、今や飼育ゼロ 英国

 欧米では、イルカは施設内での繁殖が主流となっている。オーストラリアや欧州各国では、動物愛護意識の高まりからショーをやめたり、飼育自体を見直したりする動きも進む。

 今回のWAZAの動きに影響したとみられるのは、豪州でイルカ保護を訴える民間団体「イルカのためのオーストラリア」。今年3月、「追い込み漁で捕獲したイルカの飼育を停止しなければ、JAZAを追放するように」とWAZAに求めてスイスで提訴した。

 同団体のサラ・ルーカス代表は、朝日新聞の取材に対し、「昨年6月からWAZAと交渉していた。今回の判断は素晴らしい」と話した。

 反捕鯨国で、動物保護の意識が強い豪州では「イルカショーは残酷」とみる傾向が強まっている。連邦議会特別委員会の資料などによると、ショーをする施設は1985年時点で7カ所あった。だが動物保護の法律が各州で強化されたこともあって閉鎖が相次ぎ、現在は計2カ所だけ。集客数も減少傾向という。

 19世紀に世界で初めてイルカを展示飼育したとされる英国。だが20年ほど前にイルカを展示する水族館はすべて姿を消した。英メディアによると、60~70年代には、英国内で30以上のイルカ水族館があり、ショーなどをしていた。しかし80年代、「野生動物を狭い水槽に閉じ込めている」との批判が強まり、飼育基準が厳しくなった。各地の水族館は基準を満たせず、飼育を中止した。

 米国では、72年施行の海洋哺乳類保護法で、野生イルカの捕獲や輸入を規制。近年は事実上、凍結されている。欧州連合(EU)も、94年から野生イルカの捕獲や商取引が原則禁止だ。繁殖計画を担う欧州動物園水族館協会(EAZA)の広報担当者は「欧州では20年以上も捕獲しないで維持できている」と話した。

 水産庁の資料によると、日本で最近、イルカなどの小型鯨類を生きたまま捕まえているのは、太地町の追い込み漁に限られる。数十頭から200頭超が毎年捕獲されている。また財務省の貿易統計によると、日本から各国に、生きたイルカなどの海洋哺乳類は毎年数十頭が輸出されている。輸出先は中国や韓国、ロシアなどだ。

 中国の湖南省長沙市にある「長沙海底世界」の水族館は数年前、太地町で捕獲されたイルカ6頭を日本の会社を通して受け入れたという。職員の田峻宇さん(30)は「どんな方法で捕獲されたかは知らない」と話した。「追い込み漁は、比較的容易にイルカを捕獲できる方法として採用されているのだと思う。ただ、より良い別の方法があるのなら、それを採用したほうがいい」という。(郷富佐子、ロンドン=渡辺志帆、上海=金順姫)


+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
下部の「次のページ」をクリックしてください。
  1. 2015/05/28(木) 10:07:24|
  2. 海洋哺乳類との共生への道

FC2カウンター

プロフィール

佛教大学社会学部満田研究室

Author:佛教大学社会学部満田研究室
【本ブログの休止と新ブログ『マラリア通信(仮称)』のお知らせ】
満田研究室ブログは、2009年満田教授の海外研修の時、満田ゼミ生との情報交流のために開設された海外通信ブログ。インドネシアのマラリア制圧に関する情報からエコツアー、原発、感染症パンデミックなどのホットな話題をブログ形式でお送りしてきました。
満田教授は、2009年4月から半年間のドイツ・オスナブリュック大学日本研究所とイ ンドネシア国立マタラム大学医学部での海外研修から帰国。さらに10月から3月までの京都大学大学院経済学研究科での研究員生活を終え、2010年4月からは佛教大学社会学部公共政策学科教授に復職しました。
2011年からはマラリア制圧のために、セレベス、パプア、アロール島などでマラリア医療支援活動を継続。また、エクアドルのアマゾンジャングルにある世界で最も生物多様性が高いヤスニ国立公園の自然保護活動や、ベトナム政府および国連機関とのベトナム農村での持続可能な観光に関する共同研究も実施しました。
2013年12月からセレベス島北端のバンカ島で中国企業による鉄鉱石開発からジュゴンを守る国際NPO[ジュゴン環太平洋ネットワーク]の創設準備。沖縄辺野古沖のジュゴンに関する基本情報を収集し、ジュゴン保護に関する研究を実施しました。
2019年3月、佛教大学社会学部を定年退職(同大学名誉教授)。 9月からインドネシア国立マタラム大学医学部客員教授として、ロンボク島でのマラリア撲滅のための社会貢献活動に尽力する予定です。

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

妊婦さんにミルクを❗️プロジェクト (7)
平成が終わり、昭和が去る。そして、令和を拓く! (14)
佛教大学最終講義190118 (10)
素晴らしいお知らせ (201)
アチェの慟哭と哀惜、あれから10年 (1)
マラリア戦争の深部 (25)
マラリアの社会学(続き) (7)
NO MORE TUNAMI、アチェ、そして東日本 (37)
18ロンボク震災報告 (2)
海洋哺乳類との共生への道 (40)
ザトウクジラとの遭遇、ドミニカ大西洋洋上300km (5)
サンイグナシオ・ラグーンとコククジラ、メキシコ (2)
ジュゴンを救う!活動、セレベスから沖縄 (35)
世界海中遺産の旅 (7)
バヌアツ物語 (4)
PNG巡礼の旅 (5)
極楽鳥の舞う島の子供たち (1)
ラジャ・アンパト:極楽鳥の舞う島の子供たち (6)
卒業生通信 (15)
エコツーリズムへの招待 (11)
ちょっとブレイク (52)
環境社会学への誘い (15)
環境と地域 (11)
ふるさと納税 (2)
環境と地域+エコロジー (3)
環境と開発 (7)
原発の話 (27)
ヤスニ提案を読み解く (10)
アマゾンジャングルからの報告 (4)
ダーウィン巡礼の旅 (13)
緊急アピール (25)
新型インフルエンザとパンデミックの旅 (9)
環境と開発エコロジー (2)
ブータンからの便り (12)
赤道の国 (2)
ベトナム新農業・農村開発10か年計画 (2)
ドイツ生活 (1)
インドネシア生活 (1)
未分類 (13)
訃報 (6)
管理人 (1)
知床秘話 (4)
仁淀川からの風 (1)
社会的起業の提案 (1)
エボラ出血熱 (4)
沖縄・石垣からの風 (3)
知床世界遺産 (1)
京のおもてなし文化の旅 (9)
平成28年熊本地震 (3)
命 ファースト! (1)

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する